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『生きるために働く』 人たちと 『働くために生きる』 人たち
シンガポールで3年暮らしたあと、しばらくアメリカに住んでいました。私たちがアメリカに住んでいた4年間は、ちょうど 『ドットコム・バブル』 がはじける直前くらいで、特にシリコンバレーと呼ばれる、それこそドットコム・バブルの中心地に住んでいたせいもあり、周りには、まだ沢山バブルの恩恵を受けた友人・知人が多くいました。
それこそバブルの波に乗ってそうとう儲けた後なので、バブルがはじけた後はさっさと早期リタイアメント生活を始めている友人もいました。
当時はまだ夫も私も働き盛りの年代。当然友人たちも一般にはまだまだリタイアには遠い年齢の人がほとんどでしたが…。
ある友人夫婦は、年の半分はヨットの上で洋上生活をし、残りの半年はカリフォルニアの高級住宅街にある自宅で頻繁にホームパーティを開く、というような生活をしていました。
バブルで不動産価格がピークを迎えた頃に、買った時の5倍くらいの値段のついた家を売り払い、郊外にその5分の1くらいの値段のプール付きの豪邸を買って、残りの現金で優雅に暮らしているという人もいました。
そんな友人・知人たちの中には、仕事を辞めて生きがいを失い途方に暮れている…という人は誰一人はいなかったし、名刺や肩書きが与えられていた企業人人生に未練を残している様子の人もいませんでした。
みんな随分はやくリタイアするんだねぇ~と言うと、アメリカ人の同僚は『日本人は働くために生きてるのかもしれないけど、僕らアメリカ人は生きるために働いているからね』 と言っていました。
つまり、生きるために働く必要(お金を稼ぐ必要)がなくなり次第、できるだけ早く働くのを辞めることが夢なんだそうな。
いつもは会議で意見がまとまった試しがないアメリカ人の上司も同僚も、みんなここは一致団結とばかりに同じ意見のようでした。
周りはみんな、30代から『どうすれば一年でも、一ヶ月でもはやく、リタイアメント生活がエンジョイできるか』 ということを、人生設計の元として考えているようでした。
会社が無料で紹介してくれるファイナンシャル・プランナーの人たちも、みな自分たちの使命は、単に老後の経済的不安を無くすというだけではなくて、いかにして少しでも早くリタイアできるよう資産形成の手助けができるか、ということだと思っているようにみえました。
当然英語人のうちの夫も、日々の労働は一日でも早いリタイアメントのため。
9つ違いのうちの夫とは、私がもうすぐ30、夫が40という年の頃に結婚しましたが、30代前半の頃の私の日本人の友人たちは、早期リタイアメントどころか、投資の話も、老後の計画の話なんかも全くしない。
この先2ー3年のことを考えるのが精一杯で、そんな30年も40年も先のことなんて考えていられないよ、という感じでした。
それに比べて、アメリカ人の友人は当時から、夫の年齢の人達はもとより、私と同じくらいの年の人たちも、みな集まれば投資や住宅の購入、老後のプランなどの話に、日常的に花をさかせていました。
う〜ん、何かが根本的に違う。
どこでこういう違いが生まれたのかは分からないが、できれば私も、早期リタイアメント計画組の方に入りたい。
そう思いながらアメリカでの生活を終えて、またアジアに戻ってきました。