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リタイア後に住む国としてのオーストラリア (我が家の検討編)
今住んでいるシンガポールに、初めて引っ越してきたのは1997年のこと。当時、一度はアジアで働いてみたいと思っていた夫が、シンガポールで職を得て、2年の予定で引っ越してきました。
私はそれまで全くアジアには関心がなく、シンガポールどころか、東南アジアに行くのも初めて、という状況で、いきなり住みに引っ越してきました。
余り不安に思わなかったのは、シンガポールでは英語が普通に通じると聞いていたことと、『2年』という話だったので、まあ『長い海外旅行』くらいの気持ちでいたからです。
結局あの時は、1年延長して約3年滞在し、その後オーストラリアには戻らずアメリカへ引越し、カリフォルニアのシリコンバレーとして知られる、サンノゼに4年住んで、またシンガポールに戻ってきました。
以来10年ほど、計13年ほどシンガポールに住んでいます(2014年現在)。
シンガポールに越してくる前は、オーストラリアのシドニーという街に住んでいました。

[シドニー / オペラハウス / シドニーに住んでいた時は、毎日のようにこの景色を見ながら通勤していた]
日本には滅多に行かない私も、オーストラリアには定期的に帰ります。
家はシドニー・オリンピックの前に売ってしまったので、帰るといっても、帰る家があるわけではありません。
それでも、免許の更新とか、その他の手続きなどが定期的にあるし、まだ『いつかは帰るところ』と思っているので、ある程度のメンテナンスが必要なためです。

[ゴールドコースト / サーファーズ・パラダイス / 冗談のようだが、本当に街の名前]
オーストラリアはプーケットなんて目じゃないくらいビーチにも恵まれているし、住んでいる時はまだゴルフを始めていませんでしたが、ゴルフ場の数も相当です。

[メルボルン / フリンダース・ステーション / 大学から徒歩圏内だった]
アメリカと同様、あまり歴史的建造物がない国ですが、シドニーの CBD やメルボルンには、サンド・ストーンの古い建物が残っていたりして、そこそこ趣のある暮らしもでできます。
用事があってオーストラリアに帰るたび、『あ~やっぱりこの国好きだなぁ~、帰って来たいなぁ~』と思うのですが、そんな思いは、財布が軽くなっていくスピードとともに消えてなくなっていきます。
とにかく物価が高い。税金が高い。
オーストラリアに暮らしている時は、他と比較することも無かったので、それなりに楽しく暮らしていましたが、他と比べ始めてしまうともうだめです。
こんなとき、知識や経験はかならずしも人生を豊かにするばかりとは限らない…と思います。
『知らぬが仏』 と言ったりもしますが。
シンガポールはとにかく所得税が低い。
だから、世界中からみんな出稼ぎに来きます。
オーストラリア人もみな、シンガポールで2-3年しっかり働いて帰れば、その後の生活がかなり楽になるといいいます。
シンガポールは不動産が高いという人もいますが、かならずしもそうではないと思います。
もちろん、シンガポールより安いところは沢山あります。
でも、職場から通勤30分圏内で、24時間セキュリティーがいて、大きなプール、テニスコートが何面か、ジム、BBQ施設などがあり、家の中は、床は大理石、キッチンはグラニット (日本語で何というんだ?)、地下駐車場完備、という物件を、ニューヨークや、サンフランシスコ、ロンドンやシドニーといった大都市で探したら、本当にシンガポールより安いでしょうか?
英語で 『リンゴとリンゴを比べる』 という言い方をしますが、何かを比べるときは、リンゴと桃を比べたりしないで、ちゃんとリンゴとリンゴを比べなければ意味がありません。
オーストラリアでも、パースの中心地から車で2時間も行けば、驚くほど安い不動産物件もありますが、シドニーやメルボルンの、中心から30分圏内は信じられないほど高いです。
我が家が出した結論は、仕事を辞め、高い所得税を払わなくてもよくなり、仕事のある大都市に住む必要がなくなった頃。高齢になって、広い家もいらなくなって、頭が少しボケかけ、やっぱり英語で暮らすほうが楽かも、ビザの更新も自力ではおぼつかない…と思いだしたら、オーストラリアに帰ろうということです。
二人とも車の運転をやめたら、サーファーズ・パラダイスの中心からそれほど遠くないあたりに、小さな1ベッドルームくらいのフラットを買って住む…というのが理想ですが、オーストラリアの不動産の価格を考えると、もっとかなり田舎に行かないと無理かなぁ。
ホアヒンで小ぶりの3ベッドルームのプール付き一軒家を買うくらいの金額では、これっていう1ベッドルームのフラット(アパート)も買えないですからねぇ。
友人も沢山いるし、気候はいいし、オーストラリアはいいところだけど、経済的なことを考えると、オーストラリアでリタイア生活をするとしたら、今のような生活はまず無理。
本当に屋根があって食べていくだけ…みたいになる可能性大。
オーストラリアで田舎に行くと、ホアヒン以上に車のない生活が不便なのもあります。