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シンガポールで リタイア するという選択肢(我が家の検討編)
2度目のシンガポールは期限を決めずに来たので、落ち着いたら直ぐに私も仕事をはじめて、二人で永住権の申請もしました。最近はかなり厳しくなっていて、周りでも永住権が取れないと嘆く人の話をよく聞きますが、今に比べれば、10年前頃(この記事は2014年に書いています)は比較的簡単でした。
最初に就労ビザで住んでいた時には、イミグレから永住権の申請をしませんか?というお誘いのレターが来たり、永住権を取ってからは、シンガポール国籍を申請しませんか?というお誘いのレターがきたり。
就労ビザもなかなか難しくなってきてる昨今を考えると、本当に海外移住を検討している人は一年でも早いほうがチャンスが多いと思います。
私も会社勤めを始めたし、とりあえず住む所は賃貸からはじめましたが、今回は最初から家具は長く愛用できる、気に入ったものを買い揃えました。
アメリカの時のように、すぐに不動産購入に踏み切らなかったのは、シンガポールの法律や、不動産売買の市場ルールなどの知識がなく、知識不足だと思ったからです。

最初の3年ほどは、賃貸のコンドに住みながら情報収集を続け、4年目にはコンドを購入して住むところも落ち着き、我が家は『シンガポール定住計画』をかなり真剣に検討していました。
その最初に買ったコンドは既に売って、買い替え、今は別の所に住んでいます(2014年現在)が、不動産投資は比較的順調だったし、買った家は、内装を全て自分たちのニーズにあわせてリノベーションしているので、便利で快適で、当然のことですがが私達の好みにもピッタリとあっている。
つまり、とても住み心地が良い。
小さな島国のシンガポールでは、長く住んだら飽きるのではと思っていましたが、ゴルフを始めてからは、そんな不安は全くなくなってしまいました。
島内にもゴルフ場が多いだけでなく、日帰りでもマレーシアやインドネシアでゴルフができ、シンガポールはこの辺でも自慢できるほどのゴルフ天国です。
夫婦でゴルフをするようになってからは、友人の数も随分増えました。
更に、他の国なら国内旅行かというくらいの気軽さと、短いスケジュールでも、気軽にあちこちの海外へ旅行に行けるのも魅力でした。

永住権は持っているし、ローンの残っていない住み心地が良いコンドがあり、ゴルフクラブのメンバーシップがあり、ちょこちょこ海外旅行にも行けるとあれば、シンガポールでリタイアするのは、実はそれほど悪い案ではないと思っています。
永住権(正確にはリエントリーパミット)は5年ごとの更新ですが、シンガポールに住み続けている限り、特にリタイア後は、あまり更新できない心配はないことをイミグレとも確認済み。
永住権なので、ビザの心配なく住めるだけでなく、仕事をしたり会社を経営したりと、したいことをするのにはほとんど支障がありません。
家賃やローンの支払いの必要がなければ、シンガポールに住んでいても、生活費は低く抑えることも可能です。
フードコートなど、安く食べられるところは沢山あるし、公共の交通機関も発達していて、タクシーも安い。
老後、車を運転しなくなっても快適に暮らせるというのはかなりポイントが高いんですよね。
ゴルフも、メンバーシップを持っていれば、1ラウンド2000円以下でまわれます。
Tiger Air などでは、バンコクまで片道5000円以下でも遊びに行けます。
治安はいいし、インフラは整っているし、何しろ英語だし…。
加えて、シンガポール生活も長くなってきたので、友人・知人も多い。
今でも実は、もし他に適当な国がなければ、シンガポールで老後を過ごすのも悪くないと思っています。
それでも、最終的にタイへの移住を考えたのは、大きく2つの理由からです。
シンガポールは、住むところを得た後では、オーストラリアに比べればかなり安く暮らせますが、それでも安いという程ではありません。
ここで快適にリタイアするなら、夫婦で少なくともあと10年は働かないとだめかな…と思ったこと。
シンガポールは『自分たちが住むだけなら』快適に暮らせますが、『友人が毎年長期で遊びに来るには向いていない』国だと思ったことです。

私たちの老後のプランは、自分たちが旅行をしてまわるかわりに、世界中にいる友人たちに、2~3週間という単位で遊びに来てもらう、ということをベースに考えていました。
その為には、友人が長期で泊まりに来ても窮屈でないサイズの住居が必要なだけでなく、私たちのいる場所が、それくらいの期間何度も来たいと思うところである必要があります。
私たちがリタイアする頃には、友人達もリタイアする年齢。つまりみんな年寄り。
リタイアしたカップルが、シンガポールに毎年2~3週間遊びに来るというのは、どうも無理があるような気がしました。
シンガポールはいわゆる『リゾート地』ではなく、『都市型観光地』なので、何もしないでのんび~りという場所ではありません。
その代わり、何年かに一度、1週間くらい遊びにくるにはアトラクションも沢山あるし、楽しい観光都市だとは思います。
最近は見所やアトラクションも増えて、初めての人なら1週間くらいあっという間です。
しかし2~3週間となると、時間を持て余してしまうかもしれません。
一応コンドにはプールもありますが、プールサイドにいても、いまひとつリゾート感は感じられません。
アトラクションも観光地も、結構料金設定が高いし、そう何度も繰り返し行くというところでもないし…。
まあ一度くらいは来てくれても、何度も長期で訪れてくれるか?と考えると、やはりどうも現実的でない気がします。

そうなると、老後の時間はシンガポール人の友人たちと、ローカルでつるむくらいです。
その頃には、シンガポールに住んでいる欧米人の友人たちは、みな母国に帰ってしまうか、どこかへ移住してしまうかして、あまりシンガポールには残っていそうにありませんから。
一旦仕事をやめたりゴルフをやめたりしたら、シンガポールであらたに欧米人の友人を作るというのも、なかなか難しいことが想像できました。
住むところと食べるものに不自由しなくても、そんな老後ではつまらないということで、私たち夫婦の意見は一致していました。
私より、特に夫のことを考えると…かな。
前回のシンガポール滞在では、あまり欧米人の友人ができなくて、夫はだんだん欧米の文化を共有できる人を欲してやまない感じになっていったので。
そういうことを考えると、やはり老後を過ごすのは、我が家的には『物価が安い国のビーチリゾートで、ゴルフ場が沢山あるところ』という条件に落ち着いてきます。
年寄りは同じリゾート地でも、マウンテンリゾート向きではありません。山道を毎日トレッキングでもなかろうし…。
その代わり、ビーチを散歩したり、マッサージに行ったりは、かなり年寄り向きな気がしますし、ゴルフ場が沢山あるというのも、ゴルファーの友人が多いので理想的。
欧米人の長期ホリデーというのは、老後でなくてもそんな感じ。老後ならなおさらそんなところでしょう…。
シンガポールでリタイアするという選択肢は、それはそれで悪くはありません。
でも夫は元々60になる頃にはリタイアしたいと言っていたし、それならもうそろそろ…というのもあり。
とりあえずシンガポールはバックアップ・プランとして取っておいて、他の選択肢も検討しよう…ということで、二度目のシンガポール滞在中は積極的に東南アジア諸国をまわって、常に『シンガポールでリタイアする場合』と比較・検討を続けました。